「風の音色」
written by 星粒
わたしは海風の町で育ったから風の吹く冬もいい
真面目な薬局の主人が丹念に漢方薬を量りにかける
想像は豊かだけれどわたしの胸には風が吹いている。
林檎の畑の下に、星が落っこちているかもしれない
ふつう地元民でさえ歯ががちがち鳴りそうな風を掻いて |
春の日の穏やかで柔らかく
吹かれて心地よいというわけではないのに
心と体が高ぶる風
それは実に風らしい風
風が風のまま
ありのままふいている様
透き通り
世界や自分の中に漂うもやを霧散させる
余計なもの
根を張っていないものはすべて引き剥がされる
手心など入り込まないあたりまえの厳しさを感じられる風
歪みや四角さを持つニセモノの風にはない力
倒れそうになりながらも
意志の力を頼りに顔を上げ
足をぐっと地に付け立ち向いたい