「さいわい」

written by じょう



 あのひとが あのひとのまま ということは
 僕にとっての不幸なのかなあ
 ルール違反だったかもしれないあの電話
 僕は君に 人生最大の幸福と一緒に
 僕の涙も背負って行ってもらうつもりだったんだ
 当てが外れて 君が荒んで
 僕は馬鹿みたいに 酔っ払ってしまった
 あの時は別に 美味しくて飲んでたわけじゃないんだよ
 
 君は君のまま 僕も僕のまま
 あの櫻の日から判り切っていたことなのに
 僕は今日も君を探す
 会ったところでまた 要らぬ涙に咽ぶだけなんだが――
 君の目が僕を見つけて さて何て言うかなあ
 一人ぼっちは強いよ 君
 どんなに誰かに拒絶されても 帰る場所が自分しかないから



feelings of master

わざとプールサイドのぎりぎりのところで
足の裏を水の上に少しはみ出させて歩いて
小さな冒険にはしゃいだあのころ

今は
とりかえしのつかないほど冷たく
枯葉の浮かぶプールサイドで

大きな荷物と
ムリをすることでしか
支えられない気持ち背負って

朽ちて
はらはらとはがれ落ちる心を
やせ細り 痺れる体を
できることなら自ら捨ててしまいたくなってる

何も声は聞こえない
僕は
冒険の仕方を忘れてしまったみたいだ

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