雹の降る夕暮れに 仲間はずれの子供の様に 錆びた自転車が佇んでいる。 傾いた車体を誰も起こしてはくれない。 籠には落ち葉が眠っていたが その内いずこへか去って行った。
乗り捨てたひとの温もりは 足早な季節の襲来に 自転車の内側から剥がれてゆき 或いは老朽化したとそっぽを向かれる 銀白色の髪をしたひとのように ひっそりと佇んでいる。 つれあいを失い 鳥の羽ばたきに目を細める やさしく寂しい 老いたひとのように 今日も自転車は 佇んだまま
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