「あせり」 時計の音が響くとき 放りだされている心に気づく 秒針が 整然とした螺旋を描いて 体なのか心なのか 存在するのかしないのか わからないものの表皮を 薄く薄く 削りとってゆく感覚におそわれる その痛みには 夢の中での喪失感のような重さがある 幻と現をへだてる 決して交ざらぬという理(ことわり)のような ありかのわからない 重さがある
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