「まっていてくれたもの」


なつかしいものを
引越しの荷造りの最中にみつけた

それは
特別大事なものじゃなくて
ずっと欲かったものでもなくて
たくさんのものを捨てているときに
思い出になりえない寂しさを感じさせたもの

捨てられないんじゃなくて
もっていざるをえないもの
そのときがくれば
こころのどこにもひっかかることなく
捨てられるもの
「いらないもの」とたいしてかわりはないのだろう

でもそれは
奥をのぞきこませる力を持っていた
深さをもつもの
その中に
自分が
時間が
深くとらえられている感覚
かけがえのない半身

手を伸ばすとわかる自分の限界
そこを越えて
はるかむこうへゆける力があふれていたとき

そのはだざわりは
まだいてくれたこいつが
もう夢はいいのか
と言ってるように思えた
 
   

 

   
   

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