「つばさ」


  飛び立つ前にはよく見なさいと
  教科書にかいてあった

  みつめるべきは
  あしもと
  ゆくさき
  そして背中にある思いという名のつばさ

  つばさを信じるこころと
  つばさを疑うこころは
  同じ自分のこころだから
  みなくてもわかることを
  みなくちゃならないときがある

  つばさは
  自分の背中にあるものだから
  だれかにもらうものじゃなくて
  じぶんではばたくためのものだから
  破れかけていても
  自分の飛び方なら
  飛べるから
  自分の飛び方を
  知っているから
  飛べるから

  ひろったつばさじゃ
  飛べはしないよ
  血の通わない
  ブリキのつばさじゃ
  風にさらわれるだけ
  みすぼらしくても
  小さくても
  自分のつばさなら飛べる
  少しくらいなら無茶もできる
  怖がることなく
  何にも脅えず

  飛ぶのは
  自分のため
  なぜ飛ぶのか
  そのとびかたは正しいのか
  全部自分がわかることができる
  はっきり言葉にはできなくても

  飛びたいとおもったときには
  飛べていたのだから
  誰に許しをえずとも
      教えられずとも

  飛べないときは
  とべない理由があることがわかっている
  それは自分の中にしかないから
  自分で気付く時が
  また  飛べる時だから
  自分で探せばいい
  それは飛ぶために必要な過程
  省くことはできない
  わかったふりも意味はない
  ひとつひとつつばさの軋みをほぐしてゆくのだ

  つばさは自分だから
  誰かの真似をして飛ばなくてもいい 
  ほんの50センチでも
  自分で飛ぶのは
  気持ちがいいよ
  飛行機で運ばれる
  何万キロの空よりも
  すばらしいものが
  みえるから

 
   

 

   
   

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