演劇でも詩でも小説でも 作品全体でもワンフレーズでも それを感じたり見たときに 急に思いを何かに書きつけたくなる そんなことがある 忘れていた 思い出すことのなかった こころのある部分に 目印がぼんやり浮かんだような気がして あの思いにまた会えるような気がして 書き付けたくなる 大切なことを 忘れきってしまうことは 自分の中にしかない思いを 無くしてしまうこと 忘れずにいることは ノスタルジーや現実逃避のためじゃない 自分が生きてきた実感 何気ない日常風景が宝物であること 自分にしか価値の意味のないものが 自分を形作ってきたこと いること どんなに辛かったことでも 本当に捨てたいものなど一つもない どの一つが欠けても 今の自分はないのだから これからの自分もないのだから 大切なことを 忘れきってしまうことは少ないけれど 思い出しにくくなることが多いから 思いを留めておくために 書き付けておきたくなる