「月のイルカ」
written by 皐月絵夢
漆黒に光が散りばめられる頃 貴方は私の元へ来た 青白く折れてしまいそうに思える貴方は 心配を余所に私を乗せてこの空(ウミ)を行く 意外に逞しい広く大きな背中 流れる星 広がる星雲 生まれいずる光 嗚呼…私は知らなかった 貴方の教えてくれる美しいものを全て なんて綺麗 それでも時の流れは止めようがなく 又今日が始まろうとしている もう帰らないと 戻るから…そう言いかけた私を再び連れて行こうとする貴方は その両の目の端に雫を浮かべる 行カナイデ 嗚呼…折れてしまいそうなのは体ではなくて… 思わず頷きかけて首を振る 行くのは貴方 私は地上(ココ)に残るの 貴方は空(ウミ)に帰りなさい さあ、アポロンの馬車が来る前に 私達の時再び重なる時に 又会いましょう 貴方はきっと 優しく柔らかな光をその身に纏い 再び私の元に来る その時までには 貴方について行ける為のヒレを 用意しておきましょう だから今は行きなさい 貴方の空(ウミ)を 私は地上(ココ)で待っているから |
もどかしく
もどかしく
この体をめぐる積み重なりし想いは
とめどもなく
この上なく不自由な言葉と
この上なく朴訥な体では
あなたへ続く道筋は
雨上がりの雫のようにか細く拙い
けれどそれは全ての人々に同じ理
夜の長さと
命の短さ
嘆く暇などありはしない
精一杯
一人で
精一杯
経つ時に
向かい続けよう