ROOM202 「ラジオの力」 ラジオから流れる曲に 何も考えずに自分の声を重ねていた 思い返せばずっと昔からそんなことをしている 思いもかけずに出会う一曲 何の予告も何の準備もない そんな出会いなのに 僕はときめきと共に声を重ねている 自分でまわしたCDや 自分で入れたカラオケにはない ときめきがそこにあるのはなぜだろうか たぶん そこに 自分でない誰かがいることを感じているから この曲をリクエストをしたリスナー この曲を流したいと思ったパーソナリティー、スタッフ そして今同時にこの曲を聴いている多くのリスナー 思いが電波に乗り スピーカーへと届けられ 人と人とがつながる それぞれの事情に彩られた それぞれの日々を生きている私達が 確かにつながっているという感覚 ラジオが聞こえない彼方でも 過去へも未来へも 見えない電波できっと私達はつながっている 「絆のある場所」 居場所とは 目に見えるものに限らない 居場所とは 目に見えないものがあるところだ 己の想いと誰かの想いが おそるおそる出会い 決して見せまいと思っていた 痛みや悲しみすら通じ合わせ 不器用ながらもつながりあったとき 生まれたもの それが絆 絆を育んだ場所が消えても 絆は消えない そこで心はつながり続ける だから大丈夫 絆はいつも共にある 居場所はいつもそこにある 「淡き懸命さ」 遠く遠くに想いを馳せて 幾多の長き夜を隔てて 自分の心が試される つながれた言葉が あの頃の歌のように 色褪せかすれていくのか 淡々と繰り返される 一日一日に耐えることで 柔らかな光を抱き 胸の窪みにおさまるのか 尖る兆しを 恐れてみても仕方がない はやるその手に 言い聞かせてもままならない できるのは ただ 日常を懸命に歩むこと その先にしか望む道はないから よりかからないでいられる 強さというものを 覚えていくのだ 「冷めた缶コーヒーのような笑顔でも」 人は 笑うことがある ときとして あまりにも 笑いとは不釣合いな状況においても 笑うことがある そして まだ笑える自分をみつけて 共に笑える存在をみつけて 目の前の 相変わらず最悪な状況に もう一度挑んでみようという気力が蘇る 友よ しばしの別れだ 元気でいろよ とびきりのくだらないことで 再び笑いあう日まで 冷たくても 苦くてもいい お前の笑い顔を待ってるぜ「いつか笑い勝つ日まで」 自分の無力を感じることがあります 組織に理不尽を感じることがあります 他人の行為がゆるせないことがあります 言っても仕方が無いことを叫びたくなるときがあります 叫んだ後で「何をしているんだろうと」やるせなくなるときがあります 楽になりたいと心が泣き出すことがあります でも 自分の中にまだ貫き通したい思いがあるなら 今、敵に見えるものに負けていられないと思う気持ちがあるなら 心は戦うことを望んでいるはずです 味方もきっといます 同じ痛みと同じ闘志を持った仲間もいます 戦い続けることで出会えるはずです だから いつか また、戦場で会いましょう そして、笑うことで、勝ちましょう やりたいだけやりましょう そして おいしいご飯を食べましょう 仲間で思いっきり笑いましょう だから、応援してます 「頼りないサンドバッグ」 何かにぶつけたくて 理不尽に 何の心配もなくぶっつけたくて でたらめにぶったたいても私の拳は全然痛くならない そんなサンドバッグを探しにでかけた けれど 頼もしそうなサンドバッグは 私の部屋に持ち帰るには どうにも重すぎ大きすぎ 殴った感じも何か合わない 失望して家に帰ると そこにはいつものサンドバッグがいた ちっぽけで ツヤがなくて 打たれ弱いくせに 「全然平気だよっ」て口だけ達者な 頼りないサンドバックがいた こいつは私みたいだ でも 私ならこんな私からは愛想つかして逃げ出すだろうに こいつは逃げない おかしい こんな叩きがいのないサンドバッグは なぜか たぶん ずっと 私のそばにいるんだろう ばか ばか ばか ここにいても痛いだけだぞ そう言っても こいつはいつも笑っている 「堕天使の瞳」 ぎらぎらした模様とリズムに溢れた目抜き通り その隅で感じる 私には遠いにぎやかさ 捨てられそこねたようなベンチに座り こっそり街の流れに逆らえば 見えてくる だんだんと 見たいものが見えなくなって 見たくないものが見えるようになるんだよね と あきらめたようにうつむいてた 私 でも 今は 見たくないものなんてないんだ 見ることから逃げたから 見えなかった 見なかった それを 今でも見えない それを ほんとは見たかったから もう 逃げたくないんだ だから見るの 全てを 上目遣いでこっそりじゃなく 顔を上げて 前を 次々と向かってくる冷めた視線の波に 沈まないよう ちゃんと 前を 「答えの前に」 いちたすいちは に なんてきまってないよ いちたすいちが なんなのか イコールつけずに まずは みつめてみようよ きみときみのおかあさん きみときみのおとうと きみときみのおしごと きみとこのまち きみときみがいきてくこと きみと ぼく 「それでも抱きしめてあげて」 誰かに指摘された 自分で認めた 自分の欠点 それは すぐには直らないこともある 何度言われても直らないこともある ずっと直らないこともある でも そんな自分もいるんだから そんな自分を抱きしめてあげられるのは 自分だけだから 誰かの求める「理想的な自分」 自分の求める「理想的な自分」 になるまで 抱きしめてもらえず 寂しさに一人で震えていなければならないなんて つらすぎるから 何も求めずに あなたを抱きしめてあげて 「一癖ある奴」 自然の木には癖がある 癖があるから木は強い 癖のある奴は 合わせるのに苦労するけど 組み上げればその分強い 一人でやせ我慢してみても いつか 折れてしまう どうせなら少し骨を折って やっかいな奴とでも組んでみようよ 君が嫌うほどの癖者となら ちょっとやそっとじゃびくともしない なかなかのものが組み上げられるんじゃないかな 「この夏はまだ終わらない」 8月の旧校舎 日も落ちかけた 薄暗い部室に一人 自分が言うはずだった 台本のセリフを 100回を越えて 再び叫ぶ 何に負け 何に勝つというのか 枯れ木のようなその叫びは 魂を失った者には絞り出せない 君は闘っている 君は闘っている 君はまだ闘っている この夏はまだ終わらない 「想いの連なり」 あるとき抱いていた想いは 自分が忙しさの中で 思い出すことが 忘れかけているくらい少なくなっていても その想いの強さによって 誰かの心の中に残っている それは何より尊いのではないだろうか 想いはその想いの主とともにあることを離れ 誰かの心を揺らし 形を変えてその心に刻まれる そしてまた次の誰かの心へと 勇気や強さや優しさになり 連なってゆく 遺伝子の連なりのような 想いの連なりに支えられて ぼくはここにいる ここで明日を向いている 「色のない笑い」 あの日 あのとき みんなで笑った あの日の笑いは透き通っていた どこまでも透き通っていた 忙しい日々に ふと かえりみれば 色のついた笑いが僕の顔にこびりついてた 黒色 白色 あきらめ色 無理に笑顔を作っているから 不自然な色に縛られて 笑顔は空へ向かえない 「おはよう」 家族以外に言う「おはよう」はちょっとちがう 学校とかでのあいさつじゃなくて 寝ぼけ眼をこすりつつの 起きて一番の 「おはよう」 これがなんか うれしい たのしい 一晩飲み明かした仲間とかわす 「おはよう」 旅先での 合宿所での テントの中での 「おはよう」 朝から全開、、、じゃないけど 眠くてたぶんもう少しボーッとするだろうけど 時計に追われてじゃなくて わくわくが体を動かす感じ 今日がいつもより長くなりそうな いろんなことができそうな そんな始まりの 「おはよう」 そんなふうに いつもの朝も 言えたらな 「相談事」 きみの生き方は きみにしか決められないから 僕の生き方をいくら尋ねても 僕のやり方を真似なんかしても 君の生き方は作れないよ 僕の生き方なんてただの一例 僕のやり方なんてただの一例 きみがすべきことは ぼくがどんな覚悟をしてるかを見抜く事 そして君も覚悟をきめること 自分がやりたいことに見合うだけの覚悟をね 「それでも生きてゆくしかない僕たちのために」 街にはべったりと嫌なことがこびりついていて すきまをぬうように歩けば僕らは薄汚れてゆく 自分の意志で電車に運ばれて 見つめる景色を変えられず 空を逃(のが)し続けている日々 それでも生きてゆくしかない僕たちのために 何者かであろうとして 自分を削ぎ落としてゆく人たち 自分であるということだけではだめなのだという でも 世界にさんざん嫌われてきた何かを 僕も嫌いになれるとは 誰もが嫌いになれるとは限らないから それでも生きてゆくしかない僕たちのために 見切りをつけるのを少し待とう 自分と 明日に 「不利で結構」 人間 全てが違う スタートラインも 能力も 不公平 百も承知 全てに順位がある だから走る 力の限り 「上」とか「フツウ」を羨ましがって 全て同じにしろなんて言わない 負けるたびにそんなことをつぶやき 自分が勝てばそしらぬふりをする 卑怯者にはなりたくないから 「奪えないもの」 全て思い通りになる人生なんてない 自分のやりたいようにはできないことばかりだ でも 「やりしたいようにやろう」 と思うことは 自分の心のままにできるはず どんなに困難でも 障害があろうとも 誰に何を言われようと その意志までは縛れない 奪えない 結果はどうあれ 手応えは残るよ 「今日だけの昨日」 日常の路線を離れ いつもと違う停留所に立っていると 私だけを乗せ あのころへ向かうバスが来るような気がする ふりかえりかけているのは なぜ今なのか 逃避 無力感 後ろ向きのノスタルジア そればかりではない 忘れたくないもの 無くしたくないもの 今が ふりかえるとき 今しか ふりかえることができない あのころ に 会いに行こう 「ハンカチのぬくもり」 笑顔作りが上手だけど 自分のためには笑えなくて 悲しみに押し出されてこぼれてる笑顔 冷え切ったグラスは悲しみの氷でいっぱい 必死になって探した ささやかな温度の幸せじゃ なかなか溶けない 小さなハンカチが ほほにそっと添えられた 太陽や 太陽のにおいのする子どもの日の毛布ほど 暖かくはないけど ずっと小さくて頼りないけど そっとこころとかした ハンカチ つつみこまれるこのぬくもりは めもりじゃはかれない 「ありふれたことばの効能」 ひとが紡ぎ出すことばには 新しさとかっていう価値はあんまりなくて 使い古されるとかいうこともあまりなくて ことばは自分のこころから生まれたらそれは唯一無二のものだから あなたがことばを経験という厚いメガネを通してみつめないでいられることを祈ります がんばりたいところまで がんばってみるのはどうでしょう また遊びにきてください 「滑走路」〜あの夜の仲間へ〜
飛びたつときがきたんだね すみずみまで知り尽くしたこの場所を いろんなワザをあみだしたよね 「2度とゴメンだ」っていいながら 結局何度もきりぬけたよね 「逃げたい」なんて本気で思って 「負けもんるか」ってもっと思って 君と笑って 全部を笑えた お酒があんなにおいしいなんて 1人じゃきっとわからなかった 君の汚れたクツのすぐ横で 笑いながらも1番本気の「おやすみなさい」 5秒あとの記憶さえない 向こうにいったら こんなふうにいう「おやすみなさい」は もうないんだろうね こんなに幸せな「おやすみなさい」は もうないんだろうね 「確かめあうもの」 君に久しぶりに会う 一秒だって惜しいはずなのに 口をつくのはたわいもないことばかり ふと気づく 話したいことはたくさんあるけど 伝えたいことなんてないんだ って 人生の意味なんてものや 本当の愛なんてものを一晩中議論しても 答えなんて結局出なかった 僕らが手に入れたもの ここで確かめ合えるもの 借り物の言葉じゃなくて 答えじゃなくて つながり 世界中のどんな書物にも記されていない 僕らだけの言葉たち