その2

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返却のドラマ:返却台PART1


  本を返却する。 貸出し期限が来てる本、来てない本。 読んだ本、読まなかった本。 どんな事情があろうとも、平等に返却カウンターの上に乗る。 例外的にブックポストを通る本もあるが、 傷がつくかもと思うとやはりカウンターへとゆけたらなと思う。

  さて、予約取り置きのもの、及び書庫のもの以外は 開架の棚に戻される。借り主の手によって。 しかし 「返す場所がわからないときはそこの棚に置いてください」 という例外が存在する。「返却台」行きである。 しかし自分が借りた本がどこにあったかわからないというのは少し特異な 事態ではないだろうか? ある意味幼さが微笑ましく、年輪が物悲しく、ある意味若さゆえのドラマである。

  (状況:何の気なしに読む本をさがしていた少女が、らちがあかないので 目をつぶって指差した棚の中の本にしようと決めたが、やっぱりその向い の棚で振り向きざまにつかんだ本にしようと考え直し、くるりと回り、 指をかけようとした刹那、一足早くその本を抜き取ろうとする手があった。 その人物はここでは初めて顔を合わせるクラスメイトの男子だった。)
「あ」
「あ、、」
「この作家、好きなんだ」
「え、あ、その、、た、たまたま、さーっと見てただけで、、」
「そう、あ、でもこれけっこう面白いから読んでみない?」
「え、でも、あなたが借りようとしてたんじゃ、、、」
「いいのいいの、久しぶりに読み直そうかなって思っただけだから」
「、、、あ、ありがと、、、」(なんとなく恥ずかしくて走り去る)
(読み終わり、返却に来た所で、「あ、、どこの棚だっけ、、」と思う)

  しかしながら返却台に置かれる本は多い。 わき目もふらず「ズカン!」と全ての返した本を置いて行く豪傑も たまに拝見する。 図書分類法がそれほど知られていないからなのか、 (全くの余談だが高校の図書委員時代、意味なく8割方暗記したこと がある。しかし今では大学の専門と、偏った趣味の辺りをピンポイン トに挙げられる程度だ。使わない知識は抜けるのが早い) それともただの めんどくさがりなのか。図書館を利用している側からすれば、職員さん の余計な仕事をわざわざ増やすことは何もいいことはないのに、なぜゆえ 返却台は大繁盛なのだろうか?

  一歩譲って身内の誰かが借りた本を返しにきたという可能性を考えてみたとしても、 返却場所が限りなくわかりやすい(と思われる)本も 返却台のすぐそばの書棚に入る本も置いて行く。この人達の心理は 読みきれない。特に雑誌や紙芝居を置いて行くお母さんは読めない。

  提案:オススメ本のコーナーなんて張り紙したらイヤミ? それともこんな思い(あの人元に戻すのが面倒なだけじゃないのかな) をする人が少なくなるだろうか


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